私:今回は治療を受ける患者さんが、知っているようで実は知らないのではと思う様な質問もしたいと思います。
先生はプロの治療師が勉強に集う「日本指圧師会」の理事と言うこともあって、様々な種類の治療院をご存知だと思いますが、現在は“治療”や“慰安”に関する所が多種あり過ぎて、受ける方はその違いや、どういう時は何処に行けば良いかなどを、知らないまま通っている人が多いと思います。今後、自分に適した治療院を選ぶためにも、少し簡単に各種・治療院等の違いを教えてください。

先生:そうですね。まず治療目的か慰安目的かの判断が必要です。
《治療目的の場合》は下記の選択肢がありますが、国家資格を有しているものと民間資格に該当するものがありますので、分けて記します。
《治療目的の場合》
*国家資格=「あん摩・マッサージ・指圧」、「はり・きゅう」、「接骨・整骨院(柔道整復)」
*民間資格=「整体」、「療術」、「カイロプラクティック」、「オスティオパシー」等。
《慰安目的の場合》
*癒しやリフレッシュ、ほぐし、アロマやエステ等。
只、慰安目的の分野は、「あん摩・マッサージ・指圧」の法律や業界ルール外のところで新たに出来た業種ですから、それを悪用する経営者も(風俗まがいな店など)いるため、身体を任せる際には注意が必要ですよ。
私:慰安の場合、手軽さはありますが、規制がないだけに選ばないといけないですね。
規制と言う点では民間資格も曖昧なので、取得期間の勉強や経験(実力)の度合いに差が出るため、評判等を聞くのも必要かも知れませんね。
先生:国家資格の有無で「腕の差」を計る事は難しい時代なんですが、体に対しての基礎知識を有しているという点で国家資格は一つの治療師選びの基準にはなるかと思いますね。
私:では、その国家資格の方ですが「はり・きゅう」は文字通り、針や灸を使っての治療ですが、「整骨・整骨院」は保険治療ができて低周波や牽引などの器械を使用すると言うイメージが一般の人には強く、治療分野の特徴を知らない人も多いのではと思うのですが…。
先生:簡単に解説しますと、「はり・きゅう」はその名の通り「針」と「灸」を用いる事が出来る国家資格です。経穴、いわゆる「ツボ」ですね。そして、その経穴の流れ「経絡」と言います。その経穴と経絡に、はりときゅうで効果を求める東洋医学に則った治療技術です。 「接骨院・整骨院」ですが、こちらは「柔道整復師」と言う国家資格で、お医者さん以外で唯一「ねんざ・脱臼・骨折」の治療を行う事の出来る資格です。健康保険も使えるので手軽で人気ですね。
私:特に、「ねんざ・脱臼・骨折」が専門なんですね。 先生は、「あん摩・マッサージ・指圧」の資格をお持ちですが、「指圧」はツボを指で押すだけという(クイックマッサージ的な)イメージが強く、本来の意味を知らない人がほとんどだと思うのですが?!
先生:良く勘違いされます。仕方ないんですがね(笑)。では、「指圧」とはどう言うものかを少し話させてください。 「指圧」とは、「あん摩・マッサージ・指圧」の3種の手で行なう療法が一緒に括られた国家資格です。言われるとおり、親指など指で身体を押すだけのイメージが一般的ですが、実際はその他に日本古来から伝わる手を用いる治療技術に、整体法やカイロプラクテック、オスティオパシーと言う骨盤や背骨を矯正する技術を加え、戦前から日本独自に発展してきた「総合手技療法」と言って良いもの、それが戦後に基礎定義を作り「指圧」として国に認められたものなんです。 部分的、局所的ではなく、身体全体を一つとして捉え、人間の身体が持つ自ら治す力、バランスを取る能力「自然治癒力」を引き出しサポート出来ますので、予防医学として発展して来た歴史を持ちます。
私:一般的に民間資格で知られるカイロや整体等の矯正術も、本来は「指圧」の技術なんですね。 では、先生との対談も今回でひとまず終わりですので、「指圧」について少し詳しく聞きたいのですが、「指圧」の上手な受け方?!通い方?!自分でのケアーももちろん大事ですが、どういう時に受ければよいか等を教えてください。
先生:そうですね。例えば、病気やケガなら病院に行きますし、過労や寝不足、体調不良の自覚があれば、自宅で休息をとりますよね?ちょうどその中間。自宅で休息してみても、薬局で買って来たシップを貼ったりしても身体の痛み、つらさが抜けない。かと言って病院に行っても病気やケガでないと診断されてとか。
これら中間の症状。痛みやつらさがあるが病気、ケガじゃない。「指圧」の“守備範囲”は、おおざっぱに言えば、この辺りを得意とします。
身体の不調のサインは様々な症状で知らせてくれる、身体からの警報なんです。パソコンに向かう際の姿勢にも関連して言えば、首・肩からのコリや痛みと言ったつらさが酷くなると、当然、肩・首・頭の動きにも悪影響を及ぼし、血液の流れや神経の働きが悪くなります。頭痛・耳鳴り・めまい・難聴・吐き気、自律神経失調症などが起きる。症状が酷く、お医者さんが診断をくだす病的なものは、まず病院での診察を受けることをお勧めする訳ですが、症状がそこまで酷くない場合は、定期的な指圧治療を用いて症状を抑え、予防する方法を大推薦したいです。
指圧に限らないのですが、ご自身に合った日頃からの身体の手入れをお勧めしたいですね。鍼や灸、指圧と言ったものは、治療院、治療師ごとに技術的な内容は様々なんです。必ずタイプに合う治療師がいるはずです。口コミなどをヒントに探して頂きたい。日本ほど、指圧など手技療法の種類が豊富で、レベルの高い国も珍しいんですから!(笑)




